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NPO法人フローレンス

-ソーシャル・ベンチャーとしての拡大戦略- 久米村隼人

要旨

 本ケースは、NPO法人フローレンスの経営戦略と拡大の背景をまとめたものである。

 フローレンスは、「子育てと仕事そして自己実現のすべてに、誰もが挑戦できる、しなやかで躍動的な社会を作る」というミッションのもと、2004年に設立されたNPO法人である。病児保育の社会的課題を解決するために作り上げた「非施設型(訪問型)」「共済型」のビジネスモデルの経緯を中心に、理念重視の経営活動の変化を記載している。特に、フローレンスで学んだ留学生(起業家)が大阪でも類似のNPOを立ち上げ、フローレンス・モデルの病児保育サービスを展開している背景や、待機児童問題に取り組む背景などは興味深い。

その活動の背景には、「利潤の最大化ではなく、社会的課題を解決することがフローレンスの目的である。他組織にノウハウを無償で提供し全国にモデルを拡散させていったり、自治体や国に制度化してもらったりすることで、社会的課題の解決に向けてのインパクトを最大化していきたい」と自ら語る、ソーシャル・ベンチャーならではの、戦略的な意図が存在していた。

掲載

2012年3月掲載

PDFファイル

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