楽天市場のビジネスモデルと情報システム
― 楽天市場はどうして成功したか?―要旨
1997年2月に設立された楽天は、2005年の連結ベースの売上高が5年前の40倍の1298億円、同営業利益が5年前の37倍の358億円と急成長を遂げている。
今日の楽天の基盤となり、現在も楽天のEC事業の中核である「楽天市場」成功の要因を探ると、ビジネスモデル面では、定額制という料金体系と誰でも簡単にサイバーショップを開設できる情報システムによって(楽天より早くこの市場に参入した)同業他社との差別化に成功したこと、出店者と消費者の囲い込みがある程度できた段階での課金システムの転換にあったことが分かる。
また、楽天市場の情報システムは、市販のECパッケージを利用せず、オープンソース・ソフトウェアをつかって自社で開発しているが、これが他社より使いやすいインタフェースと機能を実現できた一要因である。
さらに、組織的にみれば、出店者をサポートするECコンサルタントの存在が成功の一因である。ECコンサルタントが出店者と協力して売上げを伸ばせば、ECコンサルタント、出店者、楽天の3者がWin-Win-Winになる仕組みが組み込まれている。
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2006年8月16日掲載