地上波放送局における動画配信ビジネスのチャネル・マネジメントに関する研究
要旨
本研究は、コンテンツプロバイダー(以降「CP」)である地上波放送局の動画配信ビジネスにおける、チャネル・マネジメントについて考察するものである。
地上波放送局である在京キー局(日本テレビ放送網・テレビ朝日・TBSテレビ・テレビ東京・フジテレビジョン・NHK)が、動画配信ビジネスに次々と参入している。各局のサービスをみると、「自社で配信事業を行う直接配信と他社へコンテンツを提供して配信事業を行う間接配信というハイブリッドな配信形態」、あるいは「間接配信のみの配信形態」をとっている。伝統的に、製品を効果的に顧客へ届けるチャネル政策はどのようなビジネスでも、企業に利益をもたらすと考えられてきた(StevenWheeler, Evan Hirsh 1999)。
そこで、本研究では、まず、上記したように、CPである在京キー局の動画配信ビジネスがハイブリッドなチャネル政策、あるいは間接配信による配信形態をとる合理性は何か、その際にチャネルをいかにマネジメントすべきかを分析する。そして、CPである地上波放送局の動画配信ビジネスの収益を拡大させる合理的なモデルが何かを探ることを目的とする。
キーワード
WINDOWINGモデル、チャネル・マネジメント、コンフリクト、マルチホーミング、ビジネスモデル
掲載
2011年6月掲載