インターネットにおけるメディア型プラットフォームサービスのWTA (Winner Take All)状況
要旨
本稿は、インターネットにおけるメディア型プラットフォームサービスのWTA(Winner Take All:勝者の市場独占)の状況を分析することを目的とするものである。
本稿は、一人勝ちはシェア50%以上、二人勝ちは上位2社の合計シェア50%以上の場合と定義する。また、HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン・インデックス)が0.25以上を(相対的に)寡占状況と考えることにする。
2000年4月から2008年3月までのデータを分析したところ、以下がわかった。コミュニティサイトに一人勝ち市場・寡占維持市場が多い。逆に、情報サイトは4ジャンル中3ジャンルにおいて乱戦市場・分散化進展市場であることから、コミュニティサイトとは対照的な傾向にある。また、仲介サイトにおいてのみ唯一二人勝ち市場が存在することから、同カテゴリーは1サイトのみが強力なシェアを持つだけでなく、もう1サイトもそれに近しいシェアを持ちえる性質がある可能性がある。
キーワード
WTA、一人勝ち、二人勝ち、寡占維持市場、乱戦市場、分散化進展市場
掲載
2010年4月掲載