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「ロジスティクスの情報化における競争優位の実現とその維持・強化・革新」

メタシステム-差別化システム-競争優位理論の実証分析 木村達也(北海道情報大学経営情報学部教授/早稲田大学IT戦略研究所客員研究員)
根来龍之(早稲田大学大学院商学研究科教授/IT戦略研究所所長)
峰滝和典(関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構(RISS)統計分析主幹/東京医科大学客員准教授/総務省情報通信政策研究所特別研究員)

要旨

企業経営における情報化が進展していくなかで、物流・ロジスティクス分野の情報化には遅れがみられる。本稿ではこの遅れの原因につて、「メタシステム-差別化システム-競争優位理論」を用い考察している。分析の結果から、物流・ロジスティクス分野の情報化の遅れの主因は、「差別化システム」にあるのではなく、「差別化システム」を維持・強化・革新する「メタシステム」にあるとみられる。すなわち、物流・ロジスティクス関連の経営陣の関心の欠落がその主因とみられる。物流・ロジスティクス分野の情報化遅れに関する既存研究の結果は、「メタシステム-差別化システム-競争優位理論」からみると、「差別化システム」の部分システムである「仕組」が上手く機能していないことが情報化の遅れの原因になっていると理解される。しかし本稿の分析結果を踏まえて、既存研究の結果を見直すと解釈は変更される。すなわち、「仕組」が上手く機能しないことは、物流・ロジスティクス分野の情報化の遅れの原因ではなく、「メタシステム」を構成する物流・ロジスティクス関連の経営陣の関心の欠落により、物流・ロジスティクス分野の情報化の遅れと共に、結果として生じている事象であるとみられる。

キーワード

ロジスティクス、情報化、差別化システム、メタシステム、競争優位

掲載

2010年3月掲載

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