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半導体ビジネスの製品アーキテクチャと収益性に関する研究

―NECエレクトロニクスのポートフォリオ戦略― 井上 達彦(早稲田大学商学学術院)
和泉 茂一(早稲田大学大学院商学研究科)

要旨

日本企業が技術力に見合った収益を上げられていないという問題がクローズアップされている。とくに、電機業界ではこの傾向が著しく、MOT発想に基づいたビジネスモデル研究は緊急の課題である。そこで、本研究では、東京大学の藤本隆宏教授の製品アーキテクチャにかんする分析のフレームワークに準拠して、ロジック系の半導体企業を代表するNECエレクトロニクスを取り上げ、収益を上げるメカニズムを解明した。単一事例研究であるため、得られた知見は一般化することができないが、興味深い事実が得られた。収益を上げるのが難しいとされていた製品アーキテクチャタイプの製品群の収益性が最も高かったのである。単独でみると収益を上げにくいアーキテクチャタイプでも、ポートフォリオという発想によって収益をあげることができることが判明した。

この事実に注目して、本研究はアーキテクチャのポートフォリオにかんするロジックを探求し、それをより一般的な図式(循環図)として提示した。そのロジックとは「成長エンジン」と「収益エンジン」の同時極大化である。「成長エンジン」という発想は、これまでのビジネスモデル研究に欠如していた視点であるが、事業の継続と発展にとって不可欠ともいえる。そこで、社会システム論の変換図式(input/output)に準拠して、技術の蓄積や展開を分析の枠組みに組み込み、事業システム論の新たな発展の方向を指し示した。

掲載

2005年5月31日掲載

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