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病院組織変革と情報技術の導入

-洛和会ヘルスケアシステムにおける電子カルテの導入事例ー 具 承桓・久保 亮一・山下 麻衣(京都産業大学経営学部)

要旨

本研究の目的は,「病院組織における情報技術(電子カルテ)の効果的な導入・活用プロセス」と,「それが病院経営へ与える影響」を明らかにすることである。現在,多くの病院組織が経営の効率化を目的として電子カルテの導入を進めているが,その効果があがっている例はごくわずかである。しかしながら,経営学の観点から,成功・失敗要因,さらにはそのインパクト(効果)について検討した研究はあまり存在しない。

本研究では,電子カルテの導入に例外的に成功している逸脱事例として京都市の洛和会音羽病院を取り上げ,情報技術と組織という視点から「成功要因」と「導入効果」を検討する。その結果,当病院の成功要因として,浸透型の導入プロセス,現場密着型のソフト開発などが確認された。また,タスクの標準化,業務効率の向上,経費削減,診断内容の向上などの効果がもたらされた。さらに,電子カルテ導入と同時に,医局に大部屋方式を採用したことにより,組織の部門間に存在する「壁」を崩し,コミュニケーションの活性化を促すと同時に,予期せぬ知識のトランスファー効果を得られた。

本研究のインプリケーションとして、「病院組織が導入するIT技術のレベル(電子カルテシステム)において,各ベンダー間の差はあまり見られず, ITを導入・活用するにあたっての病院の組織的な能力が,成功に寄与する」ことを指摘したい。

掲載

2005年4月26日掲載

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