ガートナー ハイプ・サイクル批判
~IT 業界におけるバズワードのライフサイクル~IT業界はトレンドの変化が速いといわれ、「バズワード」と呼ばれる流行り言葉が現れては数年で消えていく。バズワードには「もっともらしいが実態を伴わない」という否定的なニュアンスも存在するが、IT業界では将来的なビジネス展望を示したり、マーケティングを行ったりするためには無視することができないものとなっている。
このようなIT業界のキーワードのライフサイクルを説明するモデルとして、ガートナー社が提唱するハイプ・サイクルがある。本研究は、このハイプ・サイクルについて「日経コンピュータ」記事タイトルへのキーワード出現データを元に検証を試み、バズワードのライフサイクルについて、その形成要因や傾向の分析を行うことを目的とする。
具体的には、2008年~2016年にかけてガートナー社が公表した「先進テクノロジのハイプ・サイクル」とIT総合誌「日経コンピュータ」記事タイトルへのキーワード出現推移を比較した。次いで「日経コンピュータ」から、上記以外のキーワードも抽出し、その出現数の推移と市場の関心が高まる契機について分析を行った。
結論として、ガートナー社のハイプ・サイクル分析は、「日経コンピュータ」のキーワード出現回数データのライフサイクルとは大きく異なる傾向にあることが判明した。これは、「日経コンピュータ」においては、キーワードへの関心が高まる要因として、イノベーションへの期待だけでなく、リスク回避や現状維持などの消極的、保守的な要素も存在しているからだと思われる。
#本資料については、引用表示の修正が必要であると判断し、2019年5月23日に非公開とした。
# 本資料のAppendixは、別ファイル(2019_RIIM-WP-60_Appendix)となっている。
別ファイルについても、引用表示の修正が必要であると判断し、2019年5月23日に非公開とした。
https://d-keiei.org/paper/755/
キーワード
ハイプ・サイクル、バズワード、IT業界
掲載
2019年4月掲載