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検証 ケータイ業界の神話

~業績向上のための各種施策は本当に効果があったのか~ 大熊 裕子(デジタル経営研究センター)
根来 龍之(早稲田大学大学院教授/IT戦略研究所所長)

要旨

国内の携帯電話サービスは、通信モジュールを除く全契約数が既に人口を上回り、市場の成熟化が進んでいる。携帯電話事業者は激しい競争環境の中で、自社の成長につながる戦略をより効果的に打つことが重要な課題となっている。

しかしながら、携帯電話業界ではこれまで、他社が新しい施策を行うとほかの2社も次々と追随し、結果として3社横並びのサービスラインナップになっているという状況の連続であった。

これまで業界の中で、いわば常識的に行われてきた施策は、果たして実際に業績向上に対して効果を発揮していたのか。本稿の目的は、実際のデータを用いてこれらを検証することである。検証の対象は、業界誌等でアナリストや携帯電話会社の経営層が

語っている施策の中から抽出する。各施策の実行有無によって、業績指標である純増数・MNP純増数を増加させる効果があるかどうかを重回帰分析によって明らかにする。更に、料金割引・端末ラインナップ・上位のアプリケーションサービスなど、多様な種類の施策が、どれも同様に獲得効果があるのか、他社に先行した場合に実際に効果があったのか、後発で実施した場合の追い上げ効果はあったのか、を考察する。

キーワード

携帯電話事業者、純増数、MNP純増数、料金施策、端末、重回帰分析

掲載

2013年10月掲載

PDFファイル

PDF(3.9 MB)

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