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コンピュータ・ソフトウェアの階層戦術の考察

―VMwareの仮想化ソフトの事例を通じて― 加藤 和彦(名古屋産業大学)

要旨

本稿は、コンピュータ・ソフトウェア提供企業の、介入階層の投入による既存の階層間関係や階層内でのポジションを変化させる仕組みについて探究する。具体的な事例分析として、米国シリコンバレースタートアップであるヴィエムウェア社の仮想化ソフトウェア製品を採り上げる。仮想化階層の「介入(Intervention)」による「橋渡し(Bridging)」と「インターフェイス・コントロール(Interface Control)機能によっていくつかの効果がもたらされる。その効果とは、①各階層が保有するアクセス可能ユーザーの流動性を高める、②同一階層レベルでのプラットフォーム製品の選択必然性を弱める、③既存の上下階層の直接的な情報のやりとりを制御する、である。本稿は、介入ソフトウェア製品の投入における隣接階層への効果について、事例分析を通じてその影響と戦略上の要点を「介入先隣接階層の選択」「マルチホーミングコスト」「ネットワーク効果」「収益階層の確保」などの観点から論じる。加えて、今後の研究の方向性について言及する。

キーワード

プラットフォーム製品、仮想化、階層間施策、階層介入、マルチホーミングコスト、ネットワーク効果

掲載

2012年9月掲載

PDFファイル

PDF(758 KB)

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