ソーシャルメディアにおける、相互共有性と相互関係性についての研究
―ツイッターのメディア特性の分析ー要旨
ソーシャルメディアの中で、日本では2009年頃から爆発的に広がりを見せている「ツイッター」は、いくつかの部分で、他のソーシャルメディア・サービスとは異なるメディア特性が観測できる。そこでは所謂「ゆるい」と表現されるユーザー間の繋がり存在し、その「ゆるい」繋がりにより、他のソーシャルメディア・サービスを凌ぐ強大な情報伝播力を発揮している。例えば、黒人初の米国大統領となったバラク・オバマ氏が自身の選挙戦でツイッターを活用して支持を集めた。先進的ないくつかの企業も、その情報伝播力に注目し、DellやJetBlue、日本でもソフトバンクや無印良品など、ツイッターを活用したマーケティングやCRMの成功事例が出始めている。
本研究では、ソーシャルメディアに参加するユーザー間の相互共有性と相互関係性と言う2つの指標を用いて繋がりの強度と範囲を分析し、特にツイッター特有の性質に焦点を当て、ツイッターの持つユーザー間の「ゆるい」繋がりのネットワークが、情報の伝播やユーザー間のコミュニケーションにどう影響を与えるかを議論する。その結果、企業が企業活動としてツイッターを利用する場合のプラスおよびマイナスの効果を検証する指針となることを目指している。
キーワード
ソーシャルメディア、ツイッター、情報伝播力、ユーザー間の相互共有性と相互関係性
掲載
2012年6月掲載